理事長挨拶
2024年度理事長 元藤 直人
理事長所信
「はじめに」
大津青年会議所は2023年度、中期ビジョンとして『From dawn to pride OTSU』プロジェクトを策定し、ふるさと大津に誇りを持ち続けられる社会の実現と新しい文化の創造に向けて、新たな一歩を踏み出すことができました。常に時代の変化に対応し『明るい豊かな社会』の実現に向けて活動を継続してこられた先輩諸氏や関係諸団体の皆様のおかげで記念すべき70周年を迎えることができました。70周年は通過点であり今後75周年、80周年、100周年と明るい豊かな社会を目指す団体としてその歩みを続けていかなければなりません。
大津青年会議所は昭和28年11月に全国53番目の青年会議所として設立されました。我々の先輩諸氏は70年に亘り、その時々の社会情勢に合わせ地域の課題解決に向け運動を展開し多くの人と地域の歴史を紡いでこられました。その歴史を引継ぎ、明るい豊かな社会の実現に向けて今を懸命に生きていく必要があります。青年会議所には『奉仕・修練・友情』の三信条があります。青年が集まり、培われた力を用いて地域社会に奉仕すること、自己啓発・指導者訓練を基調とした修練をすること、そしてその修練・奉仕を支える力として会員全員、同志を貫く世界との友情が必要となる。この三信条を活動の基本とし明るい豊かな社会を築き上げることが我々JAYCEEの使命となります。
「大津の子どもたちの郷土愛を育みます」
私は大津のまちに生まれ、大津のまちとともに生き、大津のまちに育てられました。この年になり、俯瞰して大津のまちを見てみると山と湖に囲まれた素晴らしい環境に変化はありませんが、めまぐるしい時代の変化に伴い、大津のまちや地域の子どもたちにも大きな変化があるように感じます。公園で走り回る子どもは減り、スマホやゲームなどを触っている子どもたちが増えました。インターネットやSNSが普及し便利になった反面、画面を見る時間が増え、地域や人と接する時間が減ってしまいました。私たちが育った環境と今とでは違うため、これ自体は悪いことではありません。
そんな時代だからこそ、大津の子どもたちのまちに対する郷土愛が必要だと考えます。自身の体験として、今年で記念すべき40回を迎える大津っ子まつりの思い出が今もなお心に残っております。ミニSLの蒸気やスマートボール、ステージでのクイズ大会等、そこにいた地域の大人の方々は子どもだった私たちのために一生懸命、笑顔になるようなイベントを企画してくださいました。時を重ねるに連れ自分自身もそういった大人になりたい、大津のまちの力になりたいと自然に思うようになったのだと感じます。地域での思い出や、記憶が鮮明に残ることにより郷土愛が生まれ、明日の豊かな社会に向けての息吹が始まるのだと実感しました。自分自身の経験から、子どもたちの郷土愛を育むことを目指し、ふるさと大津に誇りを持ち続けられる社会の実現と新しい文化の創造を図ります。
「会員の拡大と組織力の向上」
大津青年会議所が力強い組織となっていくためには、ともに活動や運動を支えあう同志が必要です。会員減少が続く近年の中でも2024年度は最少人数でのスタートとなり、まちづくり運動を行う団体である我々にとってピンチであることは疑いようがない事実です。このピンチをチャンスとして捉えると、私たちの地域にはまだ出会っていない青年がたくさんいます。我々の運動に魅力を感じ賛同してくれる同志はまだまだいるはずです。新しい仲間を増やすための方法として、地域が良くなるために常に真剣に考えていること、地域の将来のためにチャレンジができる場所であること、結束した仲間と感動体験ができることを我々が発信し続ける必要があります。
会員拡大についてはメンバー全員が当事者意識を持ち一致団結して取り組んでいく体制を作り、多種多様な考えを持った青年同士が組織を活性化させ強固な組織としてこれからの未来を創造していきます。志を同じうする者、相集い、力を合わせ組織が盤石なものへと進化していくことを目指します。また、組織運営については総会を始めとする会議や、事業などがスムーズに運営できるように各委員会との連携強化を図り、ルールやコンプライアンスを遵守します。青年会議所が行う事業はメンバー一人ひとりの会費によって支えられていることから、貴重な会費が効果的に使われる事業を考え、運営を行っていきます。メンバー減少に伴い、予算が縮小されていく中でも、補助金や寄付金、クラウドファンディング等、あらゆる方法を模索し事業の可能性の幅を広げていきます。
「会員の資質向上と絆を深める」
時代が変化し多様性を求められる現代だからこそ、会員の資質向上と人や団体との絆を深めていくことは必要不可欠です。一人ひとりが主体性や多様性を持ち地域を牽引していくリーダーとして日々研鑽をしていかなければなりません。JCIミッションにある『青年がより良い変化をもたらすためにリーダーシップの開発と成長の機会を提供する』ことを通じて高い人間力を持ったメンバーの育成をしていきます。大津青年会議所はメンバー同士の絆、長い歴史を紡いでこられた先輩諸氏との絆、大津市政やまちとの絆、県内10LOMの青年会議所との絆、国境を越え40年もの間、熱き友情で結ばれているJCIKOREAソウル瑞草との絆等、長年培ってきた絆があります。昨年度は3年ぶりに訪韓事業が実施されソウル瑞草との絆を再確認するこが出来ました。多種多様な年代、そして地域や文化を超えての交流が、伝統を継承し多角的な文化を創造することに繋がります。
そして滋賀ブロック協議会との連携や近畿地区協議会との意見交換、日本青年会議所会頭公式訪問における交流等、我々には多くの尊重しあえる仲間がいます。その仲間たちとともに青年会議所の輝かしい未来が描いていけることを確信しております。
「結びに」
今年のテーマである『カーペディエム~いまを生きる~』は人によってそれぞれ解釈が異なるラテン語です。直訳すると『今日という日を摘め』となりますが、否定的な意味としては『どうせ明日には死ぬのだから飲み食いしよう』という意味を持ち、肯定的な意味としては『今を懸命に生き、チャンスを掴もう』という意味になります。ものごとを肯定的にとらえるか否定的にとらえるかは常に己自身にかかっているのです。中学生時代の多感な時期に初めて知った哲学的な言葉ですが、今もなお、私の心に刻まれています。今を懸命に生きることにより今日があり、明日が生まれ、明るい未来が築かれる。大津青年会議所に入会したことにより、大津青年会議所のメンバーに出会え、様々な成功体験をさせて頂き、自身の未来が築かれました。家族をはじめ私たちを支えてくれるすべての皆様への感謝の気持ちを忘れることなく、今を一生懸命に生き、大津青年会議所のメンバーとして誇りを持ち、青年としての英知と勇気と情熱を持って『明るい豊かな社会』を実現していきましょう。